生物多様性COP10 トップ
COP9からCOP10へ(第3回) COP9と自治体の動き―都市部の生物多様性保全のために
(2008年7月3日 09:00)

「イクレイ―持続可能性をめざす自治体協議会」は、地域から具体的な行動を起こし、それを各地で積み上げることによって、地域から世界を変えていくことを活動趣旨に、世界の先進自治体に働きかけ、地球環境関連のさまざまな事業やキャンペーン活動を行っている。現在世界70カ国の878自治体・自治体連合が、イクレイの会員として活動に参加するとともに活動を支える、ユニークな国際NGOである。気候変動防止分野では、1993年から地球温暖化防止活動推進のための都市キャンペーンを始め、現在700あまりの自治体がこのキャンペーンに参加している。イクレイは、気候変動防止条約締約国会議や国連持続可能な開発委員会に向けて報告書をまとめ、自治体の意見を集約し、政府会合に代表団を派遣する役割も担っている。

一方、生物多様性保全分野での活動は2006年からで、ボンやモントリオール、名古屋等21自治体が参加して、各都市政策のとりまとめやワークショップ等、連携強化をめざしたパイロット事業を実施している。世界の人口増加の大部分は都市部においてであり、途上国地域の都市部での人口急増に伴う自然・生活の環境悪化が大きな問題になっている。生物多様性分野でも、都市部において自治体が市民や関連団体、企業と手を組んで生態系保全のための積極的な行動を起こせば、大きな成果を生み出すことができる。

生物多様性管理の概念を盛り込んだ都市計画を作ったクリティバ市(ブラジル)は、2006年に生物多様性条約COP8が開催された自治体である。市は、1年後の2007年3月に「2010年生物多様性目標達成のための都市会議」を開催し、クリティバ宣言をまとめて自治体の行動を呼びかけた。

今年のボンのCOP9では、COP会場でのセッション(5月26日、ボン、モントリオール、クリティバ、名古屋、ダーバンの各市長、シンガポール国立公園委員会、国際自然保護連合2010カウントダウンキャンペーン事務局長等が出席)に続いて、国際市長会議(5月26日~29日、自治体首長や専門家等36カ国153名が参加)を開催した。出席者たちからは、生物多様性が文化・社会の多様性にも深く関係していることや、生物多様性と気候変動問題との関連性、資源管理と生態系保全を自治体の優先施策として推進するべきである等、積極的な意見が続いた。また生物多様性条約事務局のジョグラフ事務局長は、自治体が連携して学校に木を植える運動を開始し、COP10までに100万本の植樹を行うコミットメントを集めることを提案し、地域レベルの会議ならではの具体的行動が話し合われた。

 hiro080703-01
 国際市長会議の様子

その他イクレイは、COPワーキンググループⅡへの草案作成や、閣僚級会合への代表派遣(ボン、名古屋、モントリオール、クリティバ、ヨハネスブルク市長)等を行い、生物多様性分野においても、政府間協議への自治体の主張表明の機会を作ったことで、自治体にとっても、今回のCOP9は画期的会議になった。

イクレイは、世界の主要都市の生物多様性保全政策のケーススタディーや、市民参加等の個別テーマに関する資料を作成し、ウェブサイト(http://www.iclei.org/japan )から情報を発信している。まだ多くが英語情報だが、随時日本語訳を増やす予定である。2010年のCOP10の愛知県/名古屋市開催に向けて、国内外の自治体の動きにも是非注目して欲しい。

(イクレイ―持続可能性をめざす自治体協議会 日本事務所 事務局長 岸上みち枝)

コメント

コメントする

(コメントは承認された方のみ表示されます)

トラックバックURL

トラックバック

MAP