生物多様性条約会議第10回締約国会議(COP10)が2010年10月に愛知・名古屋で行われます。それに先駆けて、『2010年度日本造園学会全国大会』が名古屋市天白区の名城大学で行われています。
この中で行われているミニフォーラムの一つ、RLAの会立ち上げ準備会が主催した『都市・地域づくりにおける生物多様性保全・回復とRLAの役割』を取材しました。
RLA(Registered Landscape Architect)とは、『登録ランドスケープアーキテクト』という資格のことで、美しい都市・地域づくりを担うランドスケープ(景観)アーキテクチュア(設計)業務を行うための職能集団とのことです。
ミニフォーラムでは、まず株式会社ランドスケープ・プラスの平賀達也さんが「地球環境時代において、水が大きな問題となります。日本は水が豊かのようですが、使える水は世界平均の約1/4なのです。これからは道路のヨコ軸ではなく、生物多様性の保全・回復という視点から川(水)のタテ軸を充実させる“生命都市・名古屋”を提案します」と提言しました。
続いて、名古屋市環境局の小木原史香さんが「名古屋市では2050年を目標として、水の輪(わ)復活なごや戦略と低炭素都市なごや戦略、生物多様性なごや戦略の三本柱を策定しました。木曽川水系のおかげで名古屋の水は本当においしいです。職員の意識向上のためにもランドスケープアーキテクチュアの考え方は役に立つと思います」と発言しました。
市民の立場からは、堀川のまちづくりを進めているNPO法人市民まちづくり風の会の石浦薫さんが発言しました。「生物多様性と言わず、あえて生物“文化”多様性とタイトルを付けました。織田信長が提唱し、徳川家康が完成させたと言われる“あゆち思想”の町が名古屋です。生命流域圏という発想で上下流交流を行っています」と。
最後に、大阪芸術大学の篠沢健太さんが「大学近くの大阪府石川河川公園・自然ゾーンのワークショップを市民参加で行っています。ランドスケープアーキテクトは、河内のオッサンと行政の共通言語になりうると思います。RLAは専門家にとって資格・資質ですが、市民には素養・教養としてRLAを持ってほしい」と提言しました。

発表後の討論。司会は株式会社グラックの八色宏昌さん(左端マイク)
ランドスケープデザインとかアーキテクチュアという言葉を多く耳にするようになってきました。この造園学会でポスターセッションを行っている堀川1000人調査隊の服部宏さんや石浦さんらを日ごろ取材している記者にはやや難しかったですが、産官学民が同じ場所・テーマで発表することが少ないだけに、貴重なフォーラムだったと言えます。
(伊藤剛)
2010年度日本造園学会全国大会:http://www.landscapearchitecture.or.jp/dd.aspx?itemid=1899&efromid=0
登録ランドスケープアーキテクト:http://www.landscape-architect.org/index.html

























