地域産業と連携し、環境調和型の街づくりを行う「エコタウン」事業(1997年に経済産業省と環境省によって開始された政策)と、廃棄物を出さない経済社会、地域社会づくりをめざす「ゼロエミッション」の取り組み(国連大学が提唱)。それぞれの活動を紹介する全国大会が、2008年11月12日(水)・13日(木)、中部国際空港セントレアホールで行われた。両者が同時開催されるのは、全国初。全国の自治体や企業、大学などから延べ800人が参加した。
主催者を代表し、神田真秋愛知県知事、深谷紘一環境パートナーシップクラブ(EPOC)会長、君塚秀喜経済産業省環境調和産業推進室長、藤村宏幸国連大学ゼロエミッションフォーラム会長があいさつ。君塚氏は、「現在、全国で26のエコタウンが誕生し、62の施設に対してサポートを行ってきた。10年に渡り、エコタウン事業が街づくりに貢献してきたことは、わが国の資産と考えている」と述べた。全国エコタウン大会は、全国各地で毎年開催され、今回で5回目。愛知県は2004年に全国で22番目のエコタウンとして承認されている。また藤村氏は、「ゼロエミッションは、産・官・民が一体となり、新しい持続可能な地域作りを行う行動のためのコンセプト。発表や討議を通じ、実行のスピードを速めていかなければ」と話し、「普及の大きな力となったのが、エコタウン構想だった」と、エコタウンとゼロエミッション双方の情報交換の場となる当会議の意義を強調した。23回目となるゼロエミッションフォーラムは、2003年から全国各地で年3~5回行われ、愛知県では初開催。
会場となった中部国際空港セントレアホール。2日で約800人が参加した
国連大学副学長で東京大学大学院農学生命科学研究科教授の武内和彦氏、愛知県環境部長の藤井敏夫氏ら4人が基調講演を行った。「環境と経済を切り離すのではなくて、両者が両立する社会システムを作らないと、持続可能な発展にならない」「ある地域で発生する資源廃棄物がそのまま処理されてしまっている。情報マッチングの構築が急務」「廃棄物を資源化するためには産業立地を考えるなど、企業間や地域間のつながりが重要」「広域連携を活発に」などの課題が出され、「エコタウンは、日本発の知的資産。海外からの評価の方がむしろ高く、日本は資源循環社会のフロントランナーとして認知されている」として、実践を強化し、施策の更なる発展を期待した意見が相次いだ。
分科会「環境モデル都市」の事例発表。左から富山市、水俣市、飯田市の
おひさま進歩エネルギー(株)、豊田市(右2名)の担当者
午後からは5つの分科会の会場で、事例発表が行われた。富山市や水俣市が『環境モデル都市』としての取り組みを、(株)酒田港リサイクル産業センター(山形県酒田市)がリサイクルポートを活かした『広域循環システム』について。大同エコメット(株)(名古屋市)が『バイオマスの可能性』の一環として、木質バイオマスによる地域集中冷暖房について、中部国際空港エネルギー供給(株)が『地産地消のエネルギー活用』について、愛知県遊技業協働組合が『モノづくりが生む新型リサイクル企業』のテーマで遊技機のリサイクルについての事例を、それぞれ発表した。
分科会「環境モデル都市」の司会進行役をつとめるコーディネーターら
普段は目立たない存在の自治体が最先端を行く環境都市であったり、財政豊かな大都市がエコタウンの選から漏れて再起を模索している過程であったり。“環境”を媒介として行政と企業とが寄り添い、市民も巻き込んだ大きなうねりが、日本の細部で着実に広がりつつあることが実感できる大会だった。
(浜村良子)




















