第一回記者会見場の様子:左からボン市長、環境大臣、条約事務局長
ドイツ環境相「条約は保護だけでなく、貧者の生活のため。COP9でABSの道筋をつける」
生物多様性条約第9回締約国会議(COP9)の開会式が終了した直後の19日13時過ぎ、予定時間を20分ほど遅れて、ジョグラフ・生物多様性条約事務局長、ガブリエル・ドイツ環境大臣、ディークマン・ボン市長、ドイツ環境省の担当者などが定例記者会見に姿を現し、各人がCOP9に向けての抱負を述べた。
まず、ガブリエル環境大臣は、「(蝶々を保護するといった)センチメンタルな条約ではなく、世界の貧困層の生活に直結している条約」であることを強調。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)での京都議定書に関する議論、いわゆるCOP13で採択された「バリ・ロードマップ」にも言及しつつ、生物多様性の損失への数値目標への合意に含みを持たせた。
ボン市には、UNFCCCや国連砂漠化対処条約(UNCCD)の事務局があることに触れ、暗に国際機関同士の連携も歓迎する意向を表明した。環境大臣は、政府代表団、メディアを含む関係者に感謝をしつつ、運営や組織の面で貢献したボン市長の労をねぎらう気配りを見せた。
ディークマン・ボン市長は「ボン市は国連都市を目指していること」、同市でさまざまな催しが行なわれていることを紹介した。ジョグラフ条約事務局長は、生物多様性の経済的な側面の重要性などを強調し、気候変動問題の経済的な損失額を評価した報告書、スターン・レビューと類似した評価を、生物多様性についても行なうことを述べた。
会場から「2010年の名古屋に向けて、どのような成果をCOP9で期待するのか」という質問が出ると、環境大臣は「遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)の国際制度に道筋をつける。」と即答。さらに、日本には、ドイツが推し進めている「ライフ・オブ・ウェッブ」という保護地域のためのネットワークに理解と協力を求めた[1]。
COP9の会場の外ではグリーンピースの子供が先頭に立ったデモが行なわれているなか、環境大臣は最後までドイツ第一、第二の公共放送などのインタビューに応じる熱意を見せ、生物多様性が損なわれると、漁獲高に影響が出ること、世界の貧困層の生活を直撃することなどを繰り返し訴えた。また、説明の枕詞に「創造主や宗教への尊敬の念を持ち、それに配慮しつつ」生物多様性の損失を経済的に評価する必要性を指摘しており、いかにもキリスト教国という態度が垣間見られた。
(香坂 玲)
[1] 「ライフ・オブ・ウェッブ」は平たく言ってしまうと、「保護区のためのデート・マッチング・サイト」(環境省担当者の言葉)。援助や助成をしたい側と、新しく保護区を作りたい側のマッチングをネット上で行なうという趣旨のサイトである。ただし、既に類似した枠組が数多く存在することを指摘する専門家もあり、連携をどこまで図れるのかが注目される。




















